今年の日本一次帰国はとても充実していました。
色々と収穫はあったのですが、その最後の最後に
中目黒にある郷さくら美術館へ行きました。
私の滞在時期中に桜が開花するか、しないかという
ギリギリの頃、結局最後の週末に行ったのですが、
蕾はまだ小さくて、ちょっと悲しかったです。
さて、この美術館は初めて行ったのですが、
いつからあったかというと、2012年に開館しました。
しかしそのもっと前の、福島県の郡山館が初めだったそうです。
そして東京、NYにはギャラリーがあります。
現在は東京館だけが運営しているそうです。
私が行った企画展は「郷さくら美術館桜花賞」
で毎年桜の季節に開催されています。
この賞は、どの様に開催されているかと言うと、
なんと、美術館側から出品の依頼が来ます。
どんなアーティストにお声が掛かるかと言うと、
今後の活動が期待される日本画家・・・
ですよね・・ 出品料を納めたら、誰でもが出せる訳ではなく
もうすでに日本画家としてのキャリアのある作家である事。
ということは、こんなにたくさんの作家さんは、皆超プロ。
そして桜花賞という大賞が毎年出展者の中から選ばれます、
この作品が今年の大賞を受賞された竹内唯可さん。
写真の様に上手くて、惚れ惚れします。
しかも出品作品は皆さん美術館からお買い上げされると言う。。
これも皆日本画の素晴らしさの発見と、魅力を後世に伝えるためと
謳っています。 かっこいいー
日本画って確かに、難しいとか、硬いとか、あまり開かれていないイメージ
だけど、絵具とか、技法とか、本当に綺麗な画材達なんですよ。
その為、日本画の普及を目指す美術館なんですね。
展示会場の隣にはこんな画材についての紹介も。
これが私がいつも使っている三千本膠です。
日本画の絵具はどれも絵具だけでは接着しません、
というのは、油絵やアクリル絵具の様にチューブから出して直ぐに
使える訳ではなく、紙の表面に接着させる為に、
膠を混ぜなければ、絵具としては使えません。。
面倒臭いかもしれませんが、各色事に膠を混ぜます、
私はそこが現代の画材とは全然違う所だと思います。
水干絵具という、下地などに使う割と安価な絵具を
細かくする時に使う乳鉢、私はフランスにある料理用の
スパイスなんかを潰すモルチエを使っています。
そして膠鍋、毎回制作が終わったら冷蔵庫に入れて保管します。
絵皿とスプーンです。パレットは使いません。
ここでは箔の種類を紹介しています。純金箔、赤口、青口洋箔
銀箔、銅箔、錫箔、アルミ箔、黒箔などなど、
中でも純金箔は金なのでいいお値段します。
そこで学生の頃使っていた、洋金箔というこれは金色に見えますが
実は真鍮で出来ていて値段もかなりお安いです。
50枚入りで3千円くらい、それに比べて純金は10枚3千円です。。
洋金箔はお勧めです。
また赤口、青口ありますから色味に合ったものを選んでください。
次は受賞者の中から私が好きな、気になった作品を
ピックアップしていきます。
この作品は大野奈々子さん、実物は見れなかったのですが、
バックに銀箔で雲みたいな形にしている、琳派みたいな所が大好きです。
木の幹と根っこの部分が面白い。
色も晴れやかで素敵。
この作品は実物が展示してありました。
2015年に大賞を受賞された押元一敏さん
よく見ると、岩絵具の重なりは結構薄め?
色も淡めなのですが、日本画でとてもよく使われる技法の一つで
’’たらし込み’’がとても綺麗にこの枝の所に出ていたので、
ドキッとしました。
こちらの作品は、大賞を受賞された八木真弓さん
これは全く色がなくて、墨だけで描いているのか、
もしかしたら下地に、白系の岩絵具を使っているのかも
しれませんが、ぱっと見は水墨画の様ですね。
でもすっごく上手い、、まるで写真、どうしたらこんな作品が
作れるのでしょうねー。
こちらの作品は少し周りと違っていて、みんなどれもカッコいいのですが、
モチーフに取り入れる所が、桜の一本木ではなくて、
桜と人物とか、桜と電車とか、桜との絡みがある絵が少なかったので、
そういう作品が目につきました。
その作品がこの公園みたいな、桜のある風景です。
奥にある低めの木の表現が大好きです、丸くて可愛い。
どれも素晴らしい作品ばかりでした。
そしてこの美術館の事を知らなかった事が残念です。
なので年間を通して、桜の季節だけではなく季節ごとに開催される
展示会にも足を運びたいです。
また受賞者のアーティストトークなどもあるので是非、日本を代表する
日本画家さん達と交流できたら、いいなぁと思います。
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