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初めての美術館個展、フランスとスイスの間にある小さな美術館

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Uraraka
日本では多摩美術大学で日本画を学び、日本画の世界へ進みます。が日本画の伝統的な技法や画壇の体制に疑問を感じ日本からフランスへ移住します。 以後10年以上、フランスで作家活動を続けてきました。 ここで日本のアートを魅せたい、日本画の美しい岩絵具や和紙を使った侘び寂びなアートをフランス人に紹介しています。

グランジュ ドゥ サベット という美術館はフランスのオート(上部)サヴォワ地方、アルプス山脈を超えてレマン湖の手前、フランス国内なのですが湖を越えるとそこはスイスです。

この美術館の特徴と歴史を紹介すると、グランジュとは農具を仕舞う小屋という意味で、現代アートの展示とその他に古い農具のコレクションをしています。
夏期は観光客が多くジュネーブからも来るので、個展や文化的なイベントをするにはとてもいい場所だと思います。

陸続きの国はパスポートなしで車で30分で海外に行けるのでいいですね。

ジャックムゲというドクターが1958年に設立した、Association Art and culture 文化と美術のアソシエーションで運営しています。というのはアートと文化のために集まったグループと言うことでそのコレクションや、建物の修繕費を国や県庁から賄っています。

なので、若いアーティストのサポートという意味合いが強いので、売ることにもとても協力的ですし、しかもその売り上げの30%を収める為、作家に残るのは70%ととても作家に優しいです。

また、こちらの審査に通ったらそれ以外の個展にかかる経費や場所代は別に支払う必要はないので、とてもありがたいです、

最初の個展の時はお金があまりなかったので額代まで、先に600€程貸してもらい後から絵の売り上げで返金しました。とっても作家思いで感動しました。

また、その時はまだフランス語を喋るのに全く自信がなかった時で、個展開催まで約半年間にわたり相談に乗ってくれたジャックムゲさんの孫にあたるクローディンムゲというおばあちゃんがとても好きでした。

メンバーの方々も私が外国人なので色々と気を使ってくれたり、書類関係のことで間違えがないようにとても慎重でした。

ここで一度個展を開いたアーティストはこの美術館のコレクションとして作品を一点寄贈する仕組みになっています。

私は今までに2回ここで個展をする事ができたので2点の日本画をこの美術館の展示コレクションとして光栄にも飾ってあります。

作品についてー小品から大作までー

この美術館の募集は毎年12月です、日本画を描いている私でも審査に2度通りました。

基本私の作品は花モチーフが多いですが、描きかたはあまり日本画の伝統的な制作方法とは違いました。それが良かったのか、分かりませんが選んでもらう事ができました。

実は、以前私が売っていた’’carre d’artistes’’というギャラリーでの契約を終えて40点ほどのパネルから切り離した和紙に描いた作品が帰ってきました。

それを額装して美術館に送ったので新たに新作を作ったのは、数点でした。

サイズも持ち運びしやすいので、15cmから30cmくらいの絵は本当に飛ぶ様に売れました。

また、美術館には別館があります、この年は選ばれたアーティストは2人だけでもう1人は陶器の人形です、壁面は全て私の作品を飾れたので日本から持ってきた大作も出す事ができました。

その作品が150号、120号と100号が2点で全て多摩美時代に描いた物です。

その中でも、こちらの一番大きなMon vin 私のワインという作品を売る事ができました。

実はこの作品は日本画の公募団体の創画展に出品し、入選したものですが、あのまま日本の実家に眠らせたままにせずフランスに持ってきて本当に良かったと思っています。

持ってくる時の秘話ですが、流石にパネルごとは持っていけないので和紙を剥がしヒビが入らない様にゆるーくゆるーく巻いて梱包し、成田空港まで自力で運び事前に特別荷物の申請をしました。自分の手荷物や預荷物の代わりなので別料金はかかりませんでした。リヨンの空港についた時は無傷で日本画の大作の空輸に成功しました。

その150号という(198cmx 162cm)巨大絵画を所望するフランス人夫婦はまた医療関係の方でした。聞くとこのアソシエーションのメンバーの親戚にあたる方でした。

最後にこの美術館の申請の時期ですが毎年12月に募集を締め切っています、その1ヶ月後には電話かメールで結果のお知らせがきます。

個展の会期は6月中旬から9月までの平日の15時から19時です。

また9月中旬に jurnées européennes du patrimoineと言ってヨーロッパ文化の日の様な感じで美術館が無料と、普段入れない歴史的建造物を一般公開する週末があるのですが、その週末を持って3カ月に渡る個展が終わります。

Nuite de servette はスイスやフランス人の有名ピアニストや歌手が来てスペクタクルが開催されます、予め招待状にプログラムが記してあり、これを楽しみに来る音楽ファンもいる程です。

この歴史ある美術館は過去に展示したアーティストの中にはリヨン派のecole de Lyonnaisの作品も多く、その作品も寄贈してあります。

Georges Adilon 建築家でもあり画家で平面作品は、リヨン市美術館や、現代アート美術館のM A C( musée d’art contemporain)で見る事ができます。

Jacquees Truphémus はリヨンの画家として最も有名で、パリ、リヨン、スイスのギャラリーでも扱われていて、2017年になくなった際にはS N S上で沢山の追悼作品が拡散されていました。

224 chemin des Granges de Servette 74140

Chens sur Léman, Chens-sur-Léman, France, 74140

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