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日本画の本、フランス語バージョンを見つけました。

ABOUT US
Uraraka
日本では多摩美術大学で日本画を学び、日本画の世界へ進みます。が日本画の伝統的な技法や画壇の体制に疑問を感じ日本からフランスへ移住します。 以後10年以上、フランスで作家活動を続けてきました。 ここで日本のアートを魅せたい、日本画の美しい岩絵具や和紙を使った侘び寂びなアートをフランス人に紹介しています。


タイトル Decourvrir la peinture Nihon-ga 日本画の発見

この本に出会ったのはとあるプライベート展覧会で
アートファンのお客様が、F N A Cで日本画
について書いてある本が売っていると聞き、
早速行ってきました。

F N A Cとは本屋と家電、ゲームなどが売っている
どこの街にも必ずある大型店です。

当時で32euros、今は廃盤になっていて、
その価値は350eurosにもなっているそうです。
出版は EYROLLE

Chen-Yichingという台湾出身の日本画家で
京都の大学で日本画を勉強した方です。
その後、上村淳之という日本画家のもとで習ったそうです。

上村淳之ってどんな日本画家かというと、、、

日本を代表する女流日本画家、上村松園

上村松園は日本で初の女性文化勲章を受賞した作家
そして一人息子の上村松篁。
上村淳之は、松園の孫で、親子3代の日本画家。
3人とも文化勲章を受賞しています。


奈良県にある松柏美術館がこの一族の作品が
多く収蔵しています。

https://www.kintetsu-g-hd.co.jp/culture/shohaku

いつか行ってみたいですね。

その上村淳之のアトリエで習ったというこの
Chen さんは今はパリのギメ美術館で日本画を教えているそうです。

早速本の内容についてですが、もちろん言語はフランス語で、
でも巻末に日本語のインデックスで説明してあります。
日本画の辞書みたいで、フランス語を知れてとてもいいのですが、
非常に難しいです。がんばります、、。

和紙について

ここでは日本での和紙のサイズの違いが書いてあります。
和紙は3・6版 さぶろくばん、5・7版 ごしちばんと呼ぶなど 
日本でも特殊な呼び方をします。

普通ならA4やB3とかは
オフィスやデザイン系の紙の呼び方です。
和紙は今では機械漉きも多いですが昔は
手漉きだったのでこの様に呼ぶのでしょう。

3・6版 は実寸で188x 97cmでP60号とF 50号まで取れるという
表記まであって分かりやすいですね。

pigment 絵具について ー天然岩絵具ー

大きく分けると天然岩絵具と新岩絵具、合成岩絵具
の3つあります。
この写真は天然岩絵具の16色の鉱石を紹介しています。

本書にもある様に、天然岩絵具は高価で生産性も低く
その為に新岩や合成の絵具が作られたという事ですが、、

実際、私の持ってる絵具を調べてみると、天然岩絵具でも色
によっては新岩よりも安いものもあり、
その人口的に作られたという新岩絵具でも高価で綺麗なもの
もあります。現代ではどんどん新しい絵具の色数も増えているのですね。

また岩原料ではないけれど、高価な朱(赤色)
のバラエティーについての解説もありました。
朱とはバーミリオンというとても有毒な絵具で粒子はなく
粉状なので膠と混ぜるときに、少し時間がかかります。
黒朱なんかもあるんですね。知りませんでした。

色々な絵具が精製される前の
岩の状態で紹介されています。


左上からマラカイトは緑青、真ん中はラピスラズリ
左上のアズライトは群青を作り、
左下はシナバーは辰砂、この色は大好きです。
真ん中のトルマリンは電気石という黒っぽい色。
左ブロンズドレは金茶という絵具をつくります。

下の2つはキラという鉱石で、雲母という銀色のとても軽い絵具が作られます。
天然ですが、安価で手に入りやすいので私もよく使います。

日本画はその一つの鉱石を砕き精製して
何色ものトーンを作ります。
ここでは3から13番まで、
数字が大きくなるほど色が薄く粒子も細かく
肉眼では見えない程です。

逆に3番は、砂のようにザラザラとしていて
目でも見える大きな粒子です。
色も濃く、しかし膠で接着する際は
重いので粒子の細かい絵具とは違い、
扱い方に気をつけないと接着が弱いと、
剥がれてしまう事もあるので、注意が必要です。

緑青の岩絵具の粒子の荒さの違いを表した写真です。

私は粗くても7番か、8番くらいからしか持っていません。
3番だとキラキラしていて綺麗なのですが、使いにくいです。

これは水干絵具です。
初めて日本画を描いたのは、この水干絵具のみでした。
水干は胡粉を染料の絵具で染めつけたもので
その為、安価で粒子もなく伸びがいいです。

岩絵具とは全く扱い方が違います。

状態は写真の様にブロック状で乳鉢
などですりつぶしてから膠を混ぜて使います。

私は水干絵具が安くてたくさん買い込んでしまったのですが、
全然減らなくて、困ってます。
染料系の絵具なので、服についたら中々取れないし、
結構後始末が大変です。

日本画を制作するときは、なるべく下地に使います。
やっぱり、岩絵具を上部に置いた方が綺麗に見えます。

私もまだまだ日本画の制作工程については
勉強中です、学生時代にやってからは習う場所もなく
殆ど独学なので、この様に本から勉強するか、
日本に帰ったときに好きな日本画家さんの展示などを
見て質問したりします。

本の内容はまだ続きますが、次回は筆の使い方の紹介をしようと思います。

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