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リヨンの美術大学E N S B Aと、そのアマチュアクラスを紹介します。

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Uraraka
日本では多摩美術大学で日本画を学び、日本画の世界へ進みます。が日本画の伝統的な技法や画壇の体制に疑問を感じ日本からフランスへ移住します。 以後10年以上、フランスで作家活動を続けてきました。 ここで日本のアートを魅せたい、日本画の美しい岩絵具や和紙を使った侘び寂びなアートをフランス人に紹介しています。

私の住む街、リヨンには美術大学E N S B A という学校があります。
国立の美大で、学部は3年間でリッソンスと言い、
そこではアート(芸術)と デザイングラフィック、デザインテキスタイル
空間デザインの3つ、全部で4つの科目を勉強します。

学費いついて
この美大の年間費用は775euros で奨学生は475eurosです。
年間10万円程で美大に通えるんです、
では私の出身校多摩美はと言うと、年間約190万円かかります。
それを4年間です。

私の場合、大学は別の女子大を出てから多摩美の
大学院にいきました。
うちは親は反対していたので、奨学金制度で
お金を借りて行きました。

また多摩美は私立大学ですが、そこに入るのだって平均で
1〜3浪はしなければ入れない超難関校です。
だから全部含めて美大を卒業するのに
どれだけお金がかかるか、想像しただけでも怖いです。

国立の東京芸大はと言うと、割と安目の年間約50万円
だからみんな何浪してでも芸大にいきたいのかな?

日本の美大を卒業して、数年後にフランスの渡仏。
当時の私はフランスの美術大学にはあまり興味はなく、
日本人として、フランスでまず先にやるべきは
フランス語だったので、フランスの美大に行くことは
考えませんでした。

そしてよく聞く噂にも、噂ですが。
絵を描く技術、デッサンを超本物の様に仕上げるテクニックは日本の
美大予備校に勝るものはないと聞きます。

逆に言えばフランスの美大には予備校で
デッサンの訓練はしないのかと言うと、
そうでもなくてエコールプレパ、予備校があります。
このアマチュアクラスの中に予備校としても機能
しているクラスがあります。

カリキュラムは、日本の様にデッサンをただひたすらやるという
訳ではない様です。

なぜ日本の予備校はあんなに石膏デッサンに命かけるのか?

私の考えですが、日本ってアーティザン、職人の技術が昔からあり、
ヨーロッパの文化が、入ってくる以前からしっかりと
日本の経済や文化を支えてきていますよね?
家元制度っていうものがある事を私は、最近知りました。

だからか、意味のわからないコンセプトアートよりも、
手仕事の巧みさや、技の凄みに評価が行くのではと思います。

実際、日本人は手先が本当に器用ですよね、そしてそこに
現代のエスプリや、フュージョンをしたり、そんな創作もできる
柔軟な私達って、、天才かも??って日本愛が止まない。

アマチュアエコール E N S B A リヨン
Pratiques Artistiques Amateures 通称PAA

このE N S B Aという美大ですが、別校にアマチュア用があります。
同じ敷地内のサブシスタンスとペラーシュと言う
国鉄電車が止まる駅があるのですが、
その駅舎に別館が入りました。

この日は年度末で1年間勉強してきた物を見せる展示会、
卒業制作展みたいな物かな?
その展示会に友達に誘われていきました。
彼女もここで絵画を習っているそうです。

日本の美大・芸大にある生涯学習講座

多摩美の場合はあまり実技系の
授業は少なくて、講義系ばかりでした。
しかも通年で登録はできず、一講座ずつオンラインで
申請をすると言う形。
芸大はまだ日本画やデッサンの技術的な授業がありました。
期間はやはり、1ヶ月や一学期間などと短期が多いです。

アマチュアエコール E N S B A リヨン
はどんな科目があるのか?

水彩、デッサンアカデミー、版画、イラスト系
人物デッサン、人物油絵、人物モデルの授業はデッサン、絵画系共に
沢山の科目が分かれていたので、需要があるのですね。

子供の造形アート 
7歳から10歳までで毎週水曜日の朝にあります。
フランスでは何故か水曜日は学校が休みになります。
この時にアート好きな子に美術の授業として通わせるのでしょう、
年齢別に細かく分かれていて14歳〜18歳、18歳〜25歳までの現代アート
など、とても充実しています。

注 アートプラスティック=造形アート

授業は大体週に1回で3時間ほど、通年で登録できます。
平日の夜か、土曜日の午後です。

誰でも入れるのか?

年会費さえ払えば誰でも登録できます。
因みにフランスでは求職者、失業者は
略全ての文化活動を半額で受けられるという
システムがあります。
(図書館の年間パスとか、映画館、美術館など)

この学校もその対象で、学費は半額になります。
9月に年間アクティビティー募集、port ouverteがあります
大学と違うのは試験がない所。

先生達はいいか?
この大学の卒業生が先生になるケースもあれば、
そうでない場合もあります。

この写真は染色科
草木染めです。

モビールのインスタレーションもあります。
陶芸、

フランスはアートの国と言われている理由に
結構アートを学んだり、観賞したりするシーンに
恵まれています。
こんなに安く技術を学べる環境はないですよね?
日本では学生が終わってから何かを学ぶって沢山投資しないと
できないし、働きながら続けることもとても難しいです。
フランスの魅力を発見した1ページでした。

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