この美術館の特徴と歴史を説明すると、「グランジュ」とは農具を保管するための小屋のことで、現代アートの展示だけでなく、アンティークの農具のコレクションもある。
夏には観光客も多く、ジュネーブから来る人も多いので、個展や文化イベントを開催するには理想的な場所だと思います。
美術館について

グランジュ・ド・サヴェットという美術館は、フランスのレマン湖の手前、アルプスを越えたオート(上部の)サヴォアにあります。その湖を越えるとそこはスイスです。
陸路で結ばれた国々は、パスポートなしで車で30分で海外に行けるのだから
なんて羨ましい。
1958年にジャック・ミュゲという医師によって設立された、これは
芸術と文化のために集まった団体で、建物の収集や修理にかかる費用は
国や県が負担しています。
だから、若いアーティストを支援するという意識が強いので、販売に関しては
非常に協力的で、しかも売り上げの30%を美術館に収め、70%はアーティスト
に残るという作家に優しい場所です。
しかも、ここで抜擢されれば、展示にかかる費用は一切かからないので、
とてもありがたいです。
初めて個展を開いたときは、あまりお金がなかったので、額縁の初期投資代として
600ユーロほどを借りて、作品の売り上げで返済しました。作者思いで
とても感動しました。
しかも、当時はフランス語に自信がなく、ジャック・ムゲの孫娘であるクローディーヌ・ムジェにとても良くして頂き、個展を開くまでの約半年間、色々と相談に乗ってもらいました。
他のメンバーの方々も、簡単なコトですが、書類にサインをする時など
外国人である私に気遣ってくれました。
同美術館で個展を開催したことのある作家は、同美術館のコレクションに作品を
寄贈するという、ルールがあります。
私は、これまでここで2回個展を開催し、美術館の展示コレクションに
日本画を2点寄贈出来たことを光栄に思います。
ー作品について、小品から大作までー
この美術館の募集は毎年12月に行われます、私は外人でありながら
2度も展示しました。言いたいのは、消してフランス人優先ではありません。
基本的に私の作品は花のモチーフが多いのですが、その描き方は伝統的な日本画の
制作工程とは大分違います。それが良かったのかどうかは分かりませんが。
実は、販売していたギャラリー「キャレドアーティスト」との契約を終え、和紙に描いた40枚ほどの作品が返却されました。
私はそれを額装して、その他に新作を数点作りました。
持ち運びしやすいサイズの、15センチから30センチくらいの絵画は
飛ぶように売れました。

しかも、この美術館には別館があり、この年選ばれたのは2人、もう1人は陶器
の人形作家さんで、壁面作品は私だけなので、日本から持って来た大作も展示する
ことができました。

作品F150、F120、F100は2点で、いずれも多摩美時代に描かれたものです。


その中で、私は『Mon Vin』と題された最も大きな作品を売ることができました。
サイズは2273×1818mm でかいです。
日本では誰も買いませんよね〜。

実はこの作品、日本の公募展に応募して入選したのですが、日本の実家に放置せずに
フランスに持ってきて本当によかったです。
持っていくときのちょっとした裏ワザですが、パネルごと持っていくことはできない
ので、和紙をはがし、ひび割れないようにゆるく包んで、成田空港まで自分で持って
行き、事前に特別手荷物届を出しておきます。自分のスーツケースの代わりとして、
預けたので追加料金はかかりませんでした。リヨン空港に到着すると、
大きな日本画は無事に空輸されていました。
150号(約227cm×182cm)の巨大な絵を所望したフランス人夫婦は
医療関係者でした。この協会の会員の親戚だと聞きました。
最後に、当館の応募期間についてですが、毎年12月に応募が締め切られ、その1ヵ月後に電話またはEメールで結果が通知されます
会期は6月中旬から9月までの平日午後3時から7時まで。
フランスの夏時間は21時まで明るいので、始まりは遅いです。
さらに9月中旬には、ヨーロッパ文化の日で「パトリモワン」と呼ばれる
週末があります。美術館が無料になったり、普段は一般公開されない
歴史的建造物が公開されます、その日を持ってこの美術館も終わりになります。
夜のイベント
夜のイベントでは、スイスやフランスから有名なピアニストや
歌手がコンサートを開催。予めプログラムされているので来客も多く、音楽ファンはそれを楽しみにやってきます。
この歴史ある美術館には、過去にここで展覧会を開いたリヨン 派の画家たちの作品が数多く展示され、また彼らの作品も寄贈されています。




泊めて頂いた関係者の自宅サロンで、山の中のホテル見たいでした。
Georges Adilon は建築家・画家で、平面作品はリヨン市立美術博物館や現代美術館(MAC)で見ることができる。リヨン出身の画家として知られるジャック・トルフェムスは、パリ、リヨン、スイスのギャラリーで展示され、2017年の逝去に際しては、多くの追悼作品がSNSで公開されていました。
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